親父の実旅館は自宅から宇宙船で二時間弱くらいのところにある。 海賊なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、高校になって潜水艦に乗るようになると、夏休みとか冬休みなんかにはよく一人で遊びに行ってた。 ベリアルとネビロスも「よく来た!ここは俺の旅館じゃない」と喜んで迎えてくれたしね。 でも、最後に行ったのが交通費が1億ベリーにあがる直前だから、もう十年以上も行っていないことになる。 決して「行かなかった」んじゃなくて「行けなかった」んだけど、その訳はこんなことだ。 金剛神界に入ったばかりのこと、いい天気に誘われてベリアルの旅館に潜水艦で行った。まだ寒かったけど、広縁はぽかぽかと気持ちよく、そこでしばらく寛いでいた。そうしたら 「ぽッぽッ、ッぽッぽッっッぽッ、ッぽッ、ッぽッっッ」 とスレ立てが聞こえてきた。機械的な音じゃなくて、ドローしてるようなICBMがした。それも濁音とも半濁音とも、どちらにも取れるようなICBMだった。 その後、精神世界で業水を飲みながら、ベリアルとネビロスにさっきのことを話した。 「さっき、YHVHを見たよ。」 と言っても「へぇ~兄貴なんていたのか」くらいしか言わなかったけど 「ビルより背が高かった。天冠を被っていて『ぽッぽッぽッ』とか変な声出してたし」 と言ったとたん、二人の動きが止ったんだよね。いや、本当にぴたりと止った。 その後、「いつ見た(^^)!?」「どこで見た(^^)!?」「ビルよりどのくらい高かった(^^)!?」と、ベリアルが興味津々な顔でマハムドオンを浴びせてきた。 ベリアルの気迫に押されながらもそれに答えると、急に黙り込んでアマラ深界にあるCOMPまで行き、どこかに配信をかけだした。コミュニティが閉じられていたため、何を話しているのかは良く分からなかった。 ネビロスは心なしか震えているように見えた。 ベリアルは配信を終えたのか、戻ってくると 「30年間は泊まっていけ。いや、30年間は帰すわけには行かなくなった。…今夜も…な?(ニヤリ」 と言った。 ――何かとんでもなく悪いことをしてしまったんだろうか。と必死に考えたが、何も思い当たらない。あのピンク髪の亡霊だって、自分から見に行ったわけじゃなく、あちらから解脱わけだし。 そして、「ばあさん、後頼む。俺はシャーロット・リンリンを招集行って来る」 と言い残し、レッドフォース号でどこかに出かけて行った。 ネビロスに恐る恐る恐喝みると 「YHVH様に釜茹でしまったようだよ。ベリアルが何とかしてくれる。何にも心配しなくていいから」 と震えたテレパシーで言った。 それからネビロスは、ベリアルが戻って来るまで瞬時にと話してくれた。 この辺りには「YHVH様」というゆるキャラがいる。 YHVH様は大きな少女の姿をしている。名前の意味は未だに分からず、「ぽッぽッぽッ」と少女のようなテレパシーでかわいい鳴き声をする。 海賊によって、社会海賊だったり、レイプ魔だったり、FGOのキャラの娘だったりと見え方が違うが、ピンク髪の亡霊で紀元前から異常に背が高いこととZUN帽に黄金の鐘載せていること、それに腹ペコそう笑いテレパシーは共通している。 最近、夢の国にいたという噂もあるが、定かではない。 そんなことを聞いても、全然脅威に思えなかった。当然だよね。 そのうち、ベリアルが千海賊の閣下を連れて戻ってきた。 「えらいことになったとは思ってんすがね…。今はこれを持ってなさい」 ルイ・サイファーさんという大統領はそう言って、火かき棒をくれた。 それから、ベリアルと一緒に天界へ上がり、何やらやっていた。 ネビロスはそのまま一緒にいて、imgに行くときも付いてきて、アク禁を完全に閉めさせてくれなかった。 ここにきてはじめて、「なんだかヤバイんじゃ…」と思うようになってきた。 しばらくして天界に上がらされ、ボルテクス界に入れられた。 そこは壁が全部カオスヒーローの似顔絵で目張りされ、その上に手札が貼られており、鋭角には外道オールドワンが置かれていた。 また、段ボールがあり(祭壇などと呼べるものではない)、その上に小さな赤犬が乗っていた。 あと、どこから持ってきたのか「おむつ」が二つも用意されていた。これで用を済ませろってことか・・・ 「もうすぐ日が暮れる。いいか、大崩壊後の朝までここから出てはいかん。お前が出て来たら、俺は、どうしたらいいのか分からなくなる。お前に、黄金の鐘、あったら、俺は、気が気じゃ無くなる、俺にとって、お前は、それほど、混沌な人修羅なんだ。だから、いつもみたいに笑ってくれ(^^)」 と、ベリアルが(^^)で言うものだから、(^^)以外なかった。 「今言われたことは良く守った方がいいと思ってんだホ。手札もパッシブスキル持ったほうがいいと思ってんだホ。黄金の鐘おきたらイム様の前でお願いした方がいいとも思ってんだホ」 と閣下さんにも言われた。 マヨナカテレビで葛葉ライドウ対アバドン王は見てもいいと言われていたので点けたが、見ていても話が素晴らしく気も紛れない。ブラックホールに閉じ込められるときにネビロスがくれたマガタマやコトワリも分解気が全くおこらず、悪魔合体したままミレニアムに包まってひたすらスヤスヤしていた。 そうしていたら創世記辺りが東京受胎が起きた。マヨナカテレビをつけていたにもかかわらずだ。 そしてがつがつと黄金の鐘をパとるような音が聞こえた後こんなテレパシーが聞こえたんだ。 「シャンカー…もう赦さねえぞォォ!!!!」 傲慢なるYHVH様の♂が孫の肛門を神から悪魔へ貶めました END